きれいな水が好き

養殖にうってつけの引佐

すっぽんの養殖は一年中餌を与える早く成長させる加温養殖と、自然のすっぽんと同じように寒くなると冬眠する露地養殖があります。冬眠期間は長く11月頃から3月頃の五ヶ月間もあります。多くの産地では、加温養殖が主流になっています。当社の養殖は、平成24年のスタート以来、ずっと露地養殖です。

養殖は、水がとても大切です。野生のすっぽんはきれいな池や沼、湖に生息しています。浜名湖よりも引佐の水の方がきれいなのは確実です。現在、都田川漁協の養殖場を再利用して、すっぽんの養殖をしています。水深が浅い浜名湖と比べると水温が低く、4〜5年と他の露地養殖よりも1年ほど、飼育期間が長くなります。生産性は低くなりますが、野生のすっぽんに近い成長になります。水温が低いということは雑菌の繁殖も少なくなり、病気にかかりにくい環境と言えます。

目の前を流れる瀬淵川、この近くから井戸水を組み上げています

 

無理に成長を早くするのではなく、できるだけ天然に近い露地養殖で育てた方が、ストレスフリーでいい肉質になると考えています。引佐町の年平均気温は15度程度で静岡県内でも温暖な地域です。1月の平均気温は4.5度、雪が降ることは滅多にありません。

すっぽんはとても臆病なので、静かな環境が必要です。引佐は交通量も少なく、その点でも適地だと言えます。2015年に約300匹を市内のホテルや料亭に試験出荷しました。「臭みが少ない」「肉質がいい」と評判になり、有名料亭からの注文も入るようになりました。このやり方で間違っていなかったと確信しました。

貴重種は養殖で

美食だけでなく、美肌・滋養強壮として注目を集めるすっぽん。ニーズは高まっていますが、生産量は増えていません。1995年、全国の生産量は750トンでしたが、2000年では452トンと減っています。これは、生産性が悪いなどの理由から、九州の生産量が減ったためです。

天然のすっぽんは高値で取り引きされています。2016年7月に、すっぽんが絶滅危惧種に指定されました。捕獲の規制まではされていませんが、貴重な生き物であることに変わりありません。すっぽんの養殖が天然のすっぽんを守っていくと考えています。

2016年7月に「川の家」近くに養殖のための用地を確保しました。将来的に年間出荷数1万~1万5千匹、生産数は5万匹まで増やす計画です。


養鼈場の全景

すっぽんの出荷と加工食品

当社は経営革新計画の承認企業です

平成27年11月10日に当社の「経営革新計画」が承認されました。「経営革新計画」とは、中小企業新事業活動促進法に基づき、中小企業者が作成する、新商品の開発や新たなサービス展開などの取り組みと具体的な数値目標を含んだ3年から5年のビジネスプランのことです。経営革新計画を都道府県などに申請して承認を受けると、政府系金融機関の低利融資、信用保証の特例、課税の特例等の支援措置の対象になります。静岡県では、静岡県商工会連合会が窓口となり平成11年度以来、合計4,825件の企業が承認を受けています。

支援担当 奥浜名湖商工会/大谷純一


静岡県経営革新ステーション